用語解説「緑地・環境施設編」〜どんな施設が該当する?条文と実例で解説!〜
こんにちは!
今回は、工場立地法における「緑地」と「環境施設」という2つの用語について解説します。
いずれも届出や面積算定の中でよく出てくる用語ですが、何が該当して何が除外されるのかは少しわかりづらいですよね。
そこで今回は、条文に基づきながら、実際の判断基準や具体例も交えて説明していきます!
◆ 緑地って、どんな場所のこと?
工場立地法上の「緑地」とは、工場周辺の生活環境の保持に寄与するもので、次のような場所が該当します。
✅樹木が植えられている区画された※土地
✅建物の屋上等に設けられた緑化施設(建築物屋上等緑化施設)
✅芝や地被植物(グランドカバー)などで表面が覆われ、手入れが行き届いている場所
✅壁面緑地(建造物壁面や独立した施設の垂直部分の緑化)
(※)区画されていない場合も区画されているものとして取り扱うケースもある。
はちろう
草が生えていれば何でもOKというわけじゃなく、除草などの維持管理がされていることがポイントだよ!
屋上緑化も条件を満たせば緑地としてカウントできます。
つまり、“見た目が緑”なだけではなく、地域環境への配慮や維持管理の有無が判断基準となっているんですね。
◆ 環境施設と緑地は、どう違うの?
緑地“以外”で工場周辺の環境に配慮した施設は、緑地とは別に「環境施設」にカウントされ、主に次のような施設が該当します。
🔵噴水・池・水流などの修景施設
🔵運動場(屋内・屋外)、広場
🔵教養文化施設(企業博物館、ホール など)
🔵太陽光発電施設(屋上設置を含む)
🔵雨水浸透施設(透水性舗装や浸透ます など)
うちの工場には調整池と太陽光があるんだけど、これも環境施設になるのかな?
工場管理者たろう
はちろう
そのとおり!ただし“生活環境保持に寄与するように管理されていること”が前提だよ
◆ 「環境施設」として認められる条件とは?
以下のような目的や性質が認められれば、環境施設として扱うことができます。
✅公園的に整備され、美観や安全性に配慮されている
✅地域住民の健康維持や教養文化向上に寄与している
✅防災対策や避難場所として機能する
✅雨水の地中浸透や地下水涵養に貢献する
✅太陽光発電設備として実際に電気を供給している
なるほど、“管理の仕方”や“目的”まで見られてるんだね
工場管理者たろう
はちろう
そうなんだ。“ただあるだけ”ではなく、どう活用しているかが問われるんだよ
◆ 具体例:どんな施設が環境施設になる?
以下は、運用例規集に記載されている代表的なものです。
🔵調整池(公園的に整備されているもの)
🔵野菜畑(緑地ではなく環境施設扱い)
🔵観覧席や更衣室付きの運動場
🔵体育館や美術館(一般公開される施設)
一方で、単なる空き地や自社製品を展示するだけのスペース等は、環境施設とは認められません。
◆ まとめ:目的・管理・整備レベルがカギ!
緑地も環境施設も、単に「見た目がそれっぽい」ではNGで、整備の状態・周辺地域との関係・維持管理の実態などで判断されます。
覚えておくべきポイント!
✅緑地:樹木や芝等で適切に手入れされた区画
✅環境施設:管理目的が明確で、地域への貢献が見込まれる施設
✅条文だけでなく、運用例や審査実績にも基づいた判断がされる
📌 次回予告
次回は「工場立地法の基本ルールを押さえよう!そもそも届出って何?」について解説します。
お楽しみに!
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