用語解説(工場敷地編)〜「一の団地」ってどういう意味? 〜
こんにちは!
今回は、工場立地法における基本中の基本「工場敷地」の定義について解説します。
法律や条例に出てくる言葉ってちょっと分かりづらいですよね。
ですが、この「工場敷地」の考え方を正しく理解しておかないと、敷地面積の算定を間違えたり、届出の判断を誤ったりする可能性もあるから注意が必要です。
◆ そもそも「工場敷地」って何?
工場立地法で言う「工場敷地面積」とは、工場として使用しているすべての土地の面積を指します。
それが自社の所有地であっても、借地であっても、実際に工場用途として使用していれば「工場敷地面積」に含まれます。
うちの工場は所有地も借地もあるけど、両方とも工場として使っているから、全部敷地面積に含まれるってことだね!
工場管理者たろう
また、「従業員用の寮や社宅、保育所等は含まれるか?」という点についてですが、これらの施設は工場敷地面積には含まれません。
たとえ同じ敷地内にあっても、工場の生産活動とは別の用途の施設は除外されます。
はちろう
寮や保育所があっても、それらの施設は工場敷地面積にカウントされないと覚えておこう!
◆ 「一の団地」って何?道路等によって分かれている場合はどうなるの?
もう一つ、実務でよく登場するのが「一の団地」の考え方です。
「一の団地」を簡単に説明すると、連続してひとつながりになっている区画の土地のこと。
通常、敷地が道路・川・鉄道などで物理的に分断されている場合は「一の団地」とは認められません。
ただし、例外があります。
たとえば、道路で分かれている2つの敷地が、
✅生産工程上、密接な関係がある
✅管理や環境保全の観点で一体として機能している
という場合には、分かれていても「一の団地」として扱うことになります。
じゃあ、うちの工場の道路向かいにある社員駐車場も工場敷地に含まれるってこと?
工場管理者たろう
はちろう
そのとおり!見た目の区画ではなく、機能や関係性で判断されるんだよ
◆ 運用例規でも確認してみよう
経済産業省「運用例規集(1-2-1-3)」には次のように記載されています。
【一の団地】
一の団地とは、連続した一区画内の土地をいう。
ただし、道路・鉄道などにより二分されている場合でも、生産工程上、環境保全上、または管理運営上、極めて密接な関係があり、一体をなしていると認められる場合は、一の団地と解する。
はちろう
つまり、“見た目や地図上で物理的に分かれていても、「心はひとつ」なら一つとみなす!”というわけです(やや極端な言い方ですが…)
◆ まとめ:工場敷地の定義を正しく押さえよう
✅工場敷地には所有地も借地も含まれる
✅寮・社宅・保育所などの生活施設は除外される
✅分断された敷地でも密接な機能的関係があれば「一の団地」として扱う
今日の内容は運用例規集の以下の部分に記載されているから併せて確認してみてね。
◆「寮・社宅・保育所」に関する内容:1-2-2-3、1-2-2-4
◆「一の団地」に関する内容:1-2-1-3、1-2-1-4
工場管理者たろう
📌 次回予告
次回は、「用語解説(生産施設)」について解説するよ!
![]() |
![]() |