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敷地面積はどう計算する?登記・実測・再計測時の注意点まとめ

こんにちは!

今回は、敷地面積の基準や再計測によって面積に変動があった場合の取扱いについて、実務担当者が迷いやすいポイントを解説します。
工場立地法における「敷地面積」とは何を基準にするのか?また、届出後に面積が変わってしまったらどうすればいいのか?といった疑問に答えていきます。

 

◆ 敷地面積は登記簿面積?それとも実測面積?

敷地面積って、登記簿に書いてある面積で良いんですよね?

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工場管理者たろう

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はちろう

実は違うんだ。工場立地法では原則、「実測面積」を使うんだよ。

 

敷地面積とは、“工場等の用に供する土地の全面積”を指します。
ただし、登記簿に記載された「登記面積(地積)」と測量により実際に確認された「実測面積」とでは、数値に差異が生じることがあります。

これは、登記簿に記載された面積が、隣接地所有者との立会い確認等が行われていない状態で算出されたものであることが多く、境界線を現地で確認し、その実測に基づいて算出すると登記面積と異なることがほとんどだからです。
その差異は測量法に基づく誤差範囲内のこともあれば、それを超えてしまうケースもあります。(この場合には、地積更正登記を行うこともあります)

 

◆ 実測面積を使う理由と根拠

なぜ登記簿の地積ではなく、実測面積を使うべきなのでしょうか?
工場立地法の条文には明示されていませんが、工場立地法第1条「目的」から次のように読み取れます。

🔵工場立地が環境の保全を図りつつ適正に行われるようにする
🔵準則等に基づき勧告・命令を行い、国民経済や福祉の向上に資する

この目的から考えると、帳簿上の数値ではなく、実際に工場敷地として使用している面積(実測)を基に計算する方が合理的です。
また、緑地や環境施設の配置図も併せて提出する必要があるため、敷地の測量が行われていない場合には、測量を実施することが望ましいといえます。

 

◆ 計測の違いによる面積変更はどう対応すべき?

届出した後に、測量会社が最新機器で再測量したら面積が変わったんですけど…やり直しですか?

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工場管理者たろう

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はちろう

届出後に面積変更が判明した場合は、実施制限期間中(※)かどうかで対応が変わるよ。

(※)「工事の着手が制限される期間」をいいます。

🔵 実施制限期間「中」に判明した場合
→ 市町村の指示に従い、届出内容の修正対応を行ってください。
面積の増減が軽微であっても、行政指導により変更届等が必要になるケースがあります。

🔵 実施制限期間「後」に判明した場合
→ 再提出の必要はありません。
次回の届出を行う際に、再計測した面積に基づいて届出を行えばOKです。

なお、工場立地法では、敷地面積に応じて生産施設や緑地などの面積割合が定められており、届出内容と実際の配置に乖離があると指摘される可能性もあるため、正確な面積に基づく届出が重要です。

このように、計測の違いによって面積が変わること自体は珍しくありませんが、手続き上の扱いは時期によって変わるため注意が必要です。

 

◆ まとめ

✅工場立地法における「敷地面積」は実測面積を用いるべきである。
✅登記簿の地積は実態と異なる場合が多く、誤差を超えるケースもある。
✅測量を行っていない場合は、図面作成の観点からも実測の実施が推奨される。
✅再計測で面積が変わった場合は、実施制限期間の前後で対応が異なるため、注意が必要。

 

📌 次回予告

次回は、「緑地部分の面積の計算方法」について解説します!