氏名変更や地位承継でも届出が必要?忘れやすい“その他の届出”
こんにちは!
今回は、工場立地法における「忘れがちな届出義務」について取り上げます。
工場の敷地や施設といった物理的な変更をしたときだけでなく、氏名・名称の変更や地位の承継といった「事業者側の事情」でも届出が必要なケースがあるのをご存じでしょうか?
前回のBLOGでは、変更事例をもとに「届出が必要な変更・不要な変更」を紹介しました。
その中で簡単に触れた「地位の承継」について、実際にどんなときに届出が必要なのか、どう判断すればいいのかといった疑問を感じた方も多いのではないでしょうか。
今回は、これらの届出について実務上の注意点に触れながら掘り下げていきます。
◆ 氏名・名称・住所の変更には届出が必要(法第12条)
工場立地法では、新設・変更の届出を行った後に、次のような変更が生じた場合、「変更の届出」が必要です。
🔵法人名(商号)の変更
🔵法人の本店所在地の変更
🔵個人の場合の氏名・住所の変更
これらはいずれも、「設置者情報の変更」として届出義務が発生します。
うちの会社の社長が代わって役員変更の登記もしたんだけど、この場合って届出が必要になるの?
工場管理者たろう
はちろう
社長の交代=つまり個人の氏名が変更になっただけなら届出は不要だよ。ただ、法人の名称や住所が変わったなら、届出が必要になるから注意してね!
登記変更の際は、届出義務が生じるかどうか一度確認しておくと安心です。
◆ 設置者の地位を承継した者は届出が必要(法第13条第3項)
工場立地法第13条第3項では、新設の届出または変更の届出を行った者の地位を承継した者は、政令に従って「承継の届出」を行う義務があると定められています。
うちの会社は親会社の再編で、グループ内の別会社に工場が引き継がれることになったんだけど…。
工場管理者たろう
はちろう
それでも設置者が変わったなら、“地位を承継した”と見なされるから、承継の届出が必要になるよ!
◾️地位を承継した者の具体例(法令に基づく)
以下のような者は、「地位を承継した者」とされ、承継の届出義務があります。
🔵特定工場の譲受人・借受人
🔵届出を行った者の相続人(個人の場合)
🔵合併や会社分割により、届出者の地位を引き継ぐ存続法人または新設法人
「社内だから」「同じグループだから」といった理由で届出を省略すると、法令違反として指導対象になるので注意が必要です。
◆ 廃止時は届出不要、でも「報告」扱いで資料提出を指導されることも
工場立地法では、特定工場の廃止について法定の届出義務はありません。
ただし、実務上は自治体からの指導により、以下のような資料の提出を求められることがほとんどです。
🔵工場設置者の氏名・名称・住所
🔵工場の設置場所
🔵製品の内容
🔵敷地面積・建築面積
🔵廃止後の土地利用予定 等
廃止するのに報告が必要になるの?
工場管理者たろう
はちろう
法律上は届出義務はないけど、自治体から“お願いベース”で資料提出を求められることが多いよ。
◆まとめ
✅氏名・名称・住所の変更(法第12条)には変更の届出が必要
✅設置者の地位を承継した場合は、承継の届出が必要(法第13条第3項)
✅代表者変更のみなら届出不要
✅廃止時は届出不要だが、実務上の報告を求められる
✅組織変更や登記変更時は、念のため届出の要否を確認するのが安全
📌 次回予告
次回は「⚪︎⚪︎」を解説します!
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